Eメールの配達のされかたを見てみる
メールの送信ボタンを押すと、自分が使っていたパソコンから、それがつながっているメールサーバというコンピュータに送られます。このサーバはドメイン名を見て自動的に宛先に配達する手続きをします。郵便局(集配センター)にあたります。そこからいくつものコンピュータを経由して、ネットワークのなかを走っていきます。電気のスピードですからすごいスピードです。最終的には@のあとのメールサーバに行きます。
メールサーバに@の前のユーザ名が登録されてあれば、そのユーザ名の保存場所であるメールボックス(受信箱)に到着します。メールは相手のパソコンに直接届くのではなく、相手がつないでいるメールサーバに届くのです。
したがって、メールを読むという作業は、メールサーバにある自分宛のメールの保存場所であるメールボックスの中にあるものを自分のパソコンに転送する作業のあとになります。メールを送られたら、メールを見るために保存場所に手紙を取りに行くわけです。とはいってもそこまで行くのではなくパソコンの操作だけでできます。この自分宛のメールを見るためには、自分が本人であることを確認しなくてはいけません。このとき必要なのが、ユーザ名とパスワードです。
自分のパソコン | SMTP |
送信用サーバ 受信用サーバ |
|
相手の受信用サーバ 相手の送信用サーバ |
POP3 |
相手のパソコン |
コンピュータどうしの通信方法
送信 SMTP:Simple Mail Transfer Protocol=簡易メール転送プロトコル
受信 POP3:Post Office Protocol 3=ポストオフィスプロトコル3
ちなみに、メールサーバには受信のためのPOP3サーバと送信のためのSMTPサーバの2つがあります。基本的にインターネットでのメール送信はSMTPというプロトコル(通信規格のようなもの)で動いています。ただ、メールサーバからパソコンでメールを取りに行くときだけPOP3というプロトコルが使われます。POP3というものがあとからできてパソコンでもメールを簡単にみられるようになったのです。
POP3でパソコンと通信できるPOP3サーバにはユーザ名とパスワードが登録されていて、受信したメールを本人だけが取り出せるようになっているわけです。ユーザ名とパスワードは銀行で言えば口座番号と暗証番号にあたります。メールが自分のメールサーバに届くのは、給料が自分の銀行の口座に振り込まれるのと同じで、メールを取り出す(ダウンロードするといいます)のは、カードで引き落とすのと同じです。
したがって、銀行のようにキャッシュサービスがあるところではどこでもおろせるように、パソコンがメールサーバにさえ接続できれば、世界中どこからでも自分宛の読むことができます。電話で接続(ダイヤルアップPPP接続)できる場合などは、ノートパソコンなど携帯できる端末があればどこからでも読めるわけです。
最近ではPOP3よりも新しい次世代のプロトコルとしてIMAP4というものが登場してきています。POP3は受信したメールは全部パソコンに取り込んですべてが始まるのですが、IMAP4ではパソコンに取り込まなくてもメールサーバ上で操作が可能になっています。パソコンへは必要なものだけ取り込んでくるということができます。すでに最近のメールソフトでは対応済みになっていますが、メールサーバがIMAP4になっているか確認する必要があります。
なお、会社や学校などでのネットワーク内では、
POP3を使わずに直接メールサーバのメールを見ている場合もあります。メールソフトを使わずにブラウザで見ることができるWebメールなどもそうです。これらは、結局サーバがいっぱいになったら削除しなくてはならないので、保存したい場合は、その作業が必要になります。