はじめに
インターネットでは、コンピュータを使って手紙のやりとりができます。インターネットでもっとも利用される機能の1つです。Electronic mailの略でE-mail、日本語では「Eメール」「電子メール」または単に「メール」といいます。手紙じゃなくてハガキだという意見もあります。配達の途中で誰かに見られる可能性もないわけではないからです(絶対に見られたくない内容は暗号化して送信する必要があります)。ほかに電話もFAXもありますが、携帯電話やPHSなどでもEメールが使われています。
それにしてもなぜEメールなのでしょう。その機能の秘密を考えてみるために次のようなメリットをあげて表にしてみました。
メリット | Eメール |
ハガキ |
手紙・小包など |
電話 |
FAX |
相手の都合に関係ない | ○ |
△ |
△ |
× |
△ |
距離を感じない | ○ |
△ |
△ |
△ |
△ |
複数に同時に同じ文章を出せる | ○ |
△ |
△ |
× |
△ |
相手の文章をそのまま引用できる | ○ |
× |
× |
× |
× |
写真や音声も送れる | ○ |
△ |
○ |
△ |
△ |
お互いの都合に関係ない自由があります
映画「ユー・ガット・メール」では、トム・ハンクスとメグ・ライアンの2人は、Eメールがあってこそ話ができました。相手の都合に関係なく、いつでも好きなときに出せて、いつでも好きなときに受け取ったり、読めたりするからです。電話、とくに携帯電話ですぐに相手がつかまるかというと意外にそうでもないものです。だから携帯電話でもメールが使われるのです。お互い好きな時間に出したり読んだりすることで、お互いを束縛しあわないで確実にメッセージを届けあう自由な感じがいいのです。
距離を感じなくてみんな平等です
急いでいるときは、電話やFAXが1番でしょう。しかしEメールでも、ほとんどの国や地域が接続されていて(250近く)、世界中と瞬時にしてメッセージのやり取りができます。相手がどこにいるかは関係ありません。届くのにかかる時間も、そんなに変わりませんし、料金も一緒です。
長距離恋愛のカップルや単身赴任の夫婦にも、また同じ職場や同じ部屋でもアドレスさえあればどこでも同じ感覚でコミュニケーションができるのです。このみんな近くて平等な感じがいいのです。 また、まだあまり親しくなっていない人でも電話や手紙は出せなくてもメールなら気軽に出せます。総理大臣や大統領からタレントまで誰でもOKです。メール上での友達「メル友」もつくれます。
複数に同じ文章を出せます
何かの案内や連絡を大勢の人に出すとき、手紙やハガキならコピーするという手もありますが、メールなら簡単に送れます。電話も人数が多いと大変です。この複数の相手に出すときの手間のかからなさはメールが断トツです。会議や研究会の連絡やその変更をはじめ、電話番号や住所が一部変わったなど、ちょっとした連絡の場合にはとくに重宝します。これを覚えたら絶対に使わずにいられないでしょう。もちろん全員がメールを使っていなければなりませんが。
相手の文章をそのまま引用できます
相手の書いた文章は、そのまま自分のメールのなかに表示できます。たとえば、相手から1つのメールで長い長いいくつもの連絡を受けたとします。その連絡1つ1つに対してコメントしたい場合、これについてはこうと相手の文章を表示させながらそこに記入していくことができます。つまり、「○○に○○で○○するという件については・・・・」と自分で書かなくていいということです。
また、相手の文章を取り違えたりしていないことを証明することにもなります。さらに、同じ内容を第3者につたえるときもそのまま引用できるので、ミスや誤解も少なくなるというものです。
写真や音声も送れます
何を送れるのか表にしてみました。
送れるもの | Eメール |
ハガキ |
手紙・小包など |
電話 |
FAX |
文字 | ○ |
○ |
○ |
× |
○ |
写真・絵 | ○ |
× |
○ |
× |
○ |
ビデオ | ○ |
× |
○ |
× |
× |
音声 | ○ |
× |
○ |
○ |
× |
ファイル | ○ |
× |
○ |
× |
× |
このように、簡単に言えばすべての情報を送ることができます。ただし、写真、画像などについては速度や画質などの問題がともなうので注意が必要です。高品質になればなるほど情報量が多くなって送るのに時間がかかりますし、ネットワークやシステムの負担になるので迷惑です。
デジカメなどでとった写真や自宅での録音メッセージなどは、プロの画質や音質にしなくても実用上は問題ありません。気軽な画像や音声は手軽に送れると思います。1枚が何メガバイトにもなる場合は、送るには高品質過ぎるのかもしれません。できれば1つのファイルが1メガバイト以内程度にはおさまる品質にして送ったほうがよいと思います。大きい場合は、相手と容量を確認しあっておいたほうがよいでしょう。